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初心者の富士登山体験記!目指せ登頂!

富士山。言わずと知れた「日本一高い山」である。高いだけでなく姿かたちも美しく、昔から日本人はこの山を愛してやまなかった。
2013年に世界遺産登録されたことは記憶に新しい。

この富士山に、私はかねてより「一生に一度は登ってみたい!」と思っていた。
思っていながら、これまで残念ながら機会がなかったのだが、今年は知人の誘いを得て「登ってみるか!」ということになった。
体力的にも年齢的(非公開だけど!)にも、そろそろ最後のチャンスではないかという気がしたからである。

しかし、私には今までほとんど登山経験がない。
日常的に体を鍛えているわけでもない。さらに、スケジュールの都合上、事前にトレーニングしている時間もない。
靴や雨具などの道具だけはなんとか揃え、周囲の「大丈夫……?」という心配を背負って出発することになった。

そんな、登山初心者の「富士登山体験記」をお届けしたいと思う。

富士山:五合目~七合目

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誘ってくれた知人も富士登山は初めてということで、バスツアーに申し込んだ。

添乗員と山岳ガイド付きで初心者でも安心、というものだ。
とはいえ、ツアーだからといってキツイ山道が緩やかになるわけでもなければ高山病の危険性がなくなるわけでもない。

私たちは、富士山五合目を目指すバスの中で注意事項をたっぷりと聞いた。
行程は、昼過ぎにバスで五合目へ到着・夜までに八合目まで登る・仮眠をとって夜中に出発し夜明けまでに山頂を目指す、というもの。なかなかにハードだ!

五合目へ到着したら、身支度を整えつつしばらく体を慣らす。もうすでに空気は薄くなってきているのだ。風もひんやりと涼しい。
山岳ガイドさんを先頭に、ずらりと一列に並んでいざ出発!

体力に自信がない人は先頭のガイドさんに近い位置に、自信のある方は最後尾付近に(こちらにもガイドさんがついてくれる)、ということで、私はできるだけ先頭に近いところに並ばせていただいた。

歩幅をせまくし、歩くペースはゆっくりゆっくり。呼吸もゆっくり。深く吸って、吸った分は全部吐き出してからまた吸う。五合目をスタートしてしばらくは傾斜もゆるやかで道幅も広いが、高山病になってしまわないよう、こうしてゆっくり登るのだ。休憩は三十分~一時間に一度、三~五分程度。こまめに水分や糖分を補給する。歩いている間は暑いが、立ち止まると涼しいを通り越してすでに寒い。確実に高い所へ来ているのだ、という気がする。

午後二時ごろに五合目を出発した私たちは、日の落ちかけた午後五時すぎ、七合目に到達した。ここからは灯りが必須、とガイドさんに言われ、用意してきたヘッドライトを装着。

まだ疲れ切ってはいないけれど、すでに相当な疲労が脚にきている。七合目の山小屋のお兄さんが休憩をとる私たちに笑って言った。

「八合目まで、まだ三時間は歩きますよ!」

三時間!

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富士山:八合目、山小屋の夜

本当に、三時間かかった。岩が多くなり、細くなっていった登山道を、手も使って時には這うように登り、八合目の山小屋へ到着したのは午後九時近く。
七合目までは「疲れ切ってはいない」と言っていた私だが、この時点ですでにもすっかり疲れ切っていた。くたくただ。

用意されていたカレーをぼんやりと食べ、仮眠室へ引き下がった。0時出発でお願いします、と言われたので、仮眠時間は二時間ちょっと。目を閉じて横にはなったものの、あまり眠れなかった。体は疲れていたが、頭だけは妙に冴えていた。

二時間後に起き出して、身支度を整える。

ここからは防寒と防水を兼ねたアウターウエアを着る。雲の中を進む可能性があるし、気温はすでに真冬並みだからだ。

ガイドさんが体調を尋ねてまわってくれ、問題がなければ出発。ここでリタイアする方もかなりおられる。
そういう方は、このまま山小屋に残って夜明けを待ち(吉田口ルートであったため、山小屋からもご来光が見られるとのこと)、下山することになる。

私もかなり疲れていたが、幸いなことに高山病の兆候はなく、「もう少しなのだし」という気持ちも強かったために山頂を目指した。

しかし。

本当にきつかったのは、ここからだった。


富士山:山頂へ

当然のことではあるが、上へ登るにつれて傾斜はきつくなる。道も険しくなるとのこと。
それに加え、大変のは登山道の渋滞だ。世界遺産に登録されて以来、富士山の登山者の数は増え続けているという。

皆、山頂でご来光を見るために一斉に山小屋を出発するため、山頂への登山道は非常に混雑するのだ。

この日も非常に登山者が多く、登頂までにはかなりの時間がかかると思われた。もしかすると、ご来光に間に合わないかもしれない、という。そこで今回は、特別に、別ルートに変更して山頂を目指すこととなった。

一般の方は通れないが、山岳ガイドが付いている場合は通行を許されるという道だそうだ。(私はもう、とにかく必死について行っただけなのでどこをどう通ったのかよくわかっていない)

本当に、とにかく必死に前を追った。ここから先はもうリタイアできない。

進むしかない、といわれ、途中で耐えがたくなってきた足の痛みを無視してひたすら、動かした。
傾斜がとにかく急なため、姿勢はつねに前のめり。足だけでなく、ザックを背負い続ける肩も痛い。

息も上がり、ひたすら意識して深い呼吸を心掛ける。途中での休憩のときには背中のザックに身体を預けるようにしてひっくり返った。

と、その目の前には、満天の美しい星空が……!

光の屑をばらまいたような、豪華な空。
ときおり、流れ星までもが見えるその光景は、都会では決して見ることのできないものであった。疲労を吹き飛ばしてしまうようなパワーがあった。

そんな星空に勇気づけられながら登ること、三時間。ついに、富士山山頂へ到達した!!

歓声よりも、はーっ、と安堵のため息が、皆から漏れた。ああ、良かった……、苦しかったけど登頂した……。

山頂の山小屋で買って食べた味噌汁は、今までの人生の中で一番美味しい食べ物であると感じた。

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ここからしか、臨めない光景だ。

美しい雲海、そこに滲んでゆく光。光がゆっくり強さを増して、太陽が姿を現す。

日本一の山から見る、日本一美しい景色だと思った。
苦しい思いをして登ってきて良かった、と思う。この美しさ、写真では伝わりきらないのが、非常に残念である。……で、あるから、まだ富士登山をしたことのない方は是非、一生に一度、登ってみていただきたい。

taiyou
goraikou
なお、登頂してくたくたになった身体を引きずっての下山も、相当に苦しかったことを忘れずに書き加えておく。

下山するまでが、富士登山である!




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ライタープロフィール

紺堂カヤ
文筆家
小説を中心に「書くこと」をしております。
創作サークル「つばめ綺譚社」代表。
オンラインノベルゲームWTRPGのシナリオライターとしても活動中。
物語、文化、食事など、あらゆる場面からわくわくするものを探してゆきます。
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