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知っているようで知らない、お中元の意味とは!?「粋」を贈ろう─お中元のススメ─

六月に入り、お中元商戦が早くも始まっている。全国のデパート、ショッピングセンター、はたまたコンビニまで、プロモーションを幅広く展開中だ。だが、お中元を贈る人は年々減少しているという。二十代、いや、もしかしたら三十代の中にも「一度も贈ったことがない」という方が結構おられるのではないだろうか。面倒だから?それとも自分がもらったことがないから?どういった方に贈ればいいのかわからないことも。
今回はそうした、なんとなく垣根が高いように見えて尻込みしてしまうお中元の、その垣根を取り去ってみよう。

■そもそも、「中元」って何? お中元の歴史を知る

「中元」とは、旧暦七月十五日をさす。道教において、この日は善悪を分別し、人間の罪を許す神である地官の生まれた日にあたり、中国では盛大な祭りが開かれた。期日の一致する仏教の盂蘭盆会と結びつき、日本でも中元という言葉は盆と同じ意味で用いられるようになった。そこから、「お中元」はその盆にお供えする物なども含めて、盆に行う贈答をさすようになったのである。
そのようにお供えとしての贈答から始まった「お中元」だが、次第に「普段お世話になっている人たちに対する贈答の機会」と捉えられるようになった。お中元では様々な品物がやりとりされるが、その中心になるのは「食料品」であることにもお供え物の名残が見られる。また、江戸時代の武家社会において主従関係を強化する目的で行われてきた「八朔(はっさく)」という贈答の習慣も大きく影響している。

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■おおげさな贈答、ではなく、ちょっとした贈り物に!

お盆のお供え!武家社会の主従関係!……とそんな起源を知ったらますます垣根が高くなってしまったような気がするが、いやいや、そんなことはない!武家社会のように堅苦しい贈答は、現代には不似合いだ。特に近年は「おおげさな贈答はやめにしよう」と考えになってきており、堅苦しい贈り物は倦厭される。では、堅苦しくないお中元というのはないのだろうか?
そこで考えていただきたいのが、「ちょっとしたお礼としてのお中元」である。たとえば身近に、「贈り物やお礼をし損ねた出来事」はないだろうか?「この前出かけたときに車を出してもらったなあ」とか、「お家へ遊びに行ったときに手土産持って行くのを忘れたなあ」とか、「そういえば先月の母の日に何もお母さんにプレゼントしてない!」とか……。贈り物やお礼をできなかった、でも今更「あのときのお礼です。」なんて渡しにくい。という出来事は結構あるのではないだろうか。そういう相手に、お中元を贈ってみてはいかがだろう。贈られた相手も、「お中元」の熨斗がついていれば「今更、あのときのお礼?」とは思わず気持ちよく受け取ってくれるだろう。お中元を「おおげさな贈答」ではなく「ちょっとした贈り物」にしてしまえば、贈る方も受け取る方も気楽だ。

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ちなみに、私はお中元を贈ったことがある。私が初めてお中元を贈ったのは実はつい数年前のことである。贈ったのは自宅へお招きいただくなどしてお世話になった方。やはり「迷惑ではないだろうか」などとドキドキしながら、家族みんな大好きな水羊羹を贈った。先方は随分と喜んでくれ、お中元のお返しに私の大好きな紅茶の詰め合わせを贈ってくれた。お互いの好みを熟知し、贈り合うというのはとても嬉しくなる。感謝の気持ちが伝わったのだな、と感じて非常に嬉しかった。その御宅の皆様とは良好な関係が続いている。「今年も贈ろう!」と、品物をわくわく選んでいるところだ。

いくら気軽に、とは言っても、「夏の贈り物」としているわけだし、いつ頃出せばいいの?と時期は気になるところだろう。お中元の時期は地方によっても多少異なる。東日本では七月初旬から七月十五日頃までのところが多く、西日本では八月初旬から十五日頃までが多い。たとえこの「お中元」の時期を逃してしまっても立秋の前日までは「暑中見舞い」、立秋に入ったら「残暑見舞い」として出せば良い。

■お中元は「粋」な習慣

いかがだろうか。お中元を古臭くて面倒なものと思っていた方も、こうしてお中元を通して「贈る喜び」「贈られる嬉しさ」を味わうことができると思うと、「ちょっと贈ってみようかな」となってきたのでは?
実は、お中元のような、「普段お世話になっている人たちに、季節の挨拶として贈り物をする」という習慣は、世界的に見ても珍しい部類に入る。特に、アメリカやヨーロッパの方にはとても「粋」な習慣に見えるようだ。誕生日やクリスマス(神の誕生日)以外に贈り物をすることが習慣としてあるなんて素敵だ、と言われる方は多い。
折角「粋」な習慣を持つ日本に住んでいることだし、今年はあなたもお中元を贈って、相手に喜ばれる体験と「粋」な夏を迎えてみては?

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ライタープロフィール

紺堂カヤ

文筆家

小説を中心に「書くこと」をしております。

創作サークル「つばめ綺譚社」代表。

オンラインノベルゲームWTRPGのシナリオライターとしても活動中。

物語、文化、食事など、あらゆる場面からわくわくするものを探してゆきます。


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